ハウスメーカーの【住宅延長保証】はホントに必要?
2024/08/20安心・安全な暮らしのために…
現代における住宅の寿命は長くなり、定期的にメンテナンスをすることによって世代を超えて長く住むことが出来ます。
皆様が昔から憧れた夢のマイホーム。希望や夢を膨らませて、購入。
いざ新築住宅に住んでみたら、、、欠陥や不具合、、、
これって大丈夫なのか?などなど、多くの疑問がでてきたり、
新築から2年で雨漏りの被害にあってしまった…なんて事例もよく聞きます。夢のマイホームで、こうなっては、悩みの種になってしまい、高額な買い物だから買い直すわけにもいかないしと、、こんなんじゃたまったものではないですよね。本来は、新築住宅を購入することで安全や安心を保証されるよう暮らしたいものです。 一生に一度の高額な買い物の【住宅購入】で、特に気になってくるのが「保証」
ハウスメーカーや工務店など、沢山の住宅メーカーやビルダーがある中で、果たして住宅を購入してから安全に暮らせるという保証は本当にあるのでしょうか?
平成12年4月1日より施行された【住宅の品質確保の促進等に関する法律】通称「品確法(ひんかくほう)」により、新築の住宅は引渡から10年間の「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」が義務付けられました。
現代の日本では、家を新築すると、住宅メーカーの10年間長期保証( 瑕疵担保責任=売却した物件に、買ったときは気付かなかった隠れた瑕疵があった場合、売主が負担すべき責任のこと )がついてきます。
もし建物に瑕疵などの欠陥があれば、買い主は売り主やハウスメーカー、施工会社に賠償請求と修繕のための補修工事を無償で要求することができるのです。
※瑕疵(本来あるべき性能や品質が備わっていない状態のこと)
瑕疵担保責任の範囲
【1】構造耐力上主要な部分
屋根板、小屋組、壁、斜材、床版、外壁、柱、基礎、土台、基礎杭など
【2】雨水の浸入を防止する部分
屋根、外壁、開口部、排水管など
※木造と鉄筋コンクリート造では異なります。
この箇所は瑕疵が原因の不具合以外では起こり得ない保証内容となっております。
また、不具合が起きやすい自然災害(地震、津波、洪水、台風)などの被害は保証対象外となっております。
ですから地震や台風などで、構造耐力上主要な部分である柱が傾いても屋根瓦が割れて雨漏りしても保証はされないということになります。(火災保険や地震保険での対応になるため、住宅メーカーは関係ない)
もしハウスメーカーや建てた会社が倒産したら・・・
ハウスメーカーや工務店が建ててから10年以内に倒産してしまったら保証書は無効になってしまいます。
それでは困ってしまいます。。。
施工会社が倒産した後に瑕疵が見つかった場合、買い主に少ない負担で瑕疵の修補が行えるよう、事業者に対して「保険への加入」、または「保証金の供託」にて、資力を確保するよう法律で義務付けられています。住宅瑕疵担保履行法です。
これにより、肝心の事業者が倒産してしまっていても、引き渡しから10年以内に瑕疵が見つかった時に、保険金や保証金で修理費用のほとんどをカバーができるのです。
この「瑕疵担保責任保険」に加入していると、施工会社が10年以内に廃業あるいは倒産してしまっても、10年保証の「主要構造部の欠陥と雨漏り」の保証は担保されます。
ただしこの保証は自然災害に起因する建物の損壊は保証対象外になっています。雨漏りしてなければ保証されません。
※自然災害による不具合は、住宅メーカーとは別で加入している火災保険や地震保険で対応。
10年(瑕疵担保責任)を過ぎたら保証はどうなってしまうのでしょうか。
瑕疵担保責任は10年間を対象としています。その後はメーカーが定めた定期点検を受け、必要なメンテナンスをその施工会社で実施(有償)することを条件に、プラス5年~10年の延長保証が継続されます。
この場合、対象はどの会社も主要構造部と雨漏りとなります。
なぜ住宅メーカーが延長保証をすすめるのか?
新築住宅の保証期間は、新築住宅の引き渡しから10年間とされています。保証期間の10年が経つ頃に住宅メーカーから普通に延長保証を促されます。 施主は何も迷わずそのまま延長で契約をされることが多いと思います。だいたい5年を過ぎたあたりから、外壁塗装や排水管洗浄を促されます。(有償)
施主は延長保証の金額を他と比較することがないので、住宅メーカーは当然相見積もなくメンテナンス価格も高額に設定します。
このことから住宅メーカーには粗利が5割以上の大きな利益が出やすくなります。
また、延長保証内容も瑕疵やその不具合等が発生しない限りほぼ起こり得ない対象内容なので
実は住宅メーカーのリスクは限りなく低いのです。
施主の皆様は、安心して依頼できると思っているハウスメーカーの延長保証ですが、実は見えないところで、
このようなメリットがハウスメーカーにはあるのです。
施主にとって延長保証は本当に必要なのでしょうか?
延長保証をせずにメンテナンスをお得にする方法!
次の世代にバトンが受け継がれていく大切なお住まい。
住宅の「資産価値の維持」「高寿命化」のためには定期的なメンテナンスは必須となります。放置すれば余計なコストもかかるし、長く住み続けることは困難になります。
ハウスメーカーは住宅瑕疵保険の保証が切れる10年を経過すると、ハウスメーカーの指定するメンテナンスを有償で行うことを条件に延長保証を促してきます。
半ば脅しにも感じられることもあります。
この保証の延長は施主の任意での更新となりますが、
ハウスメーカーの営業マンから「工事をしないのであれば延長保証が受けられなくなりますよ」と言われると、工事をしなければいけないのかな思ってしまいます。
実はここに大きな落とし穴があります。
このメーカー指定の工事は、必ずしなければいけない工事以外でも早めに行うことをすすめられたりもします。
担当の営業マンによっては、やる必要ない工事も進められたりします。
工事の費用はハウスメーカーによって異なりますが、専門の施工店に直接依頼した場合よりもかなり割高になります。
明らかに高額で悪意を感じる場合は、ハウスメーカーの保証延長を受けずに断ることも出来ます。
施工内容が同じなら、専門の施工店での定期点検や保証による
補修工事を受けることをおすすめします。
専門店でもメンテナンスの保証はありますし、価格面でも住宅メーカーに比べると断然お得となります。
専門店に依頼した場合と比較してみて、
費用も変わらず施工内容の条件が良い保証延長工事をしてくれるハウスメーカーであれば延長されることをおすすめします。
保証延長工事を受ける場合はただ、大手だから、建てたところだからと信用しすぎずに、しっかりと見積もり内容をみて一般的な価格と比べても有利な条件であるかの確認をしましょう。
チェックしてほしいところ!
家が徐々に傷み始めるのは、「水」の影響を受ける部分です。
屋外であれば屋根や外壁の劣化箇所や、断面、
屋内であればキッチン、バス、トイレといった水まわりの部分です。
こういった水まわり部分に長期保証をつけて欲しいですが、
実際には消耗品扱いなので、購入後数年でほとんどが有償での修理対応となってしまい、柱や基礎などの構造体部分よりも断然早く劣化します。
住宅メーカーや工務店の10年保証の大半はキッチン、バス、トイレなどの水まわり部分については保証対象外がほとんどです。
使い方が荒いと水回りは早くて3,4年で不具合が起きることも良くあります。
水まわり等の設備部分を少しでも長持ちさせるには、日頃からの手入れや点検が欠かせません。となれば、注目すべきポイントは無償保証だけでなく、無償点検についてもしっかりとチェックしておく必要があります。
まとめ
ハウスメーカーは有償メンテナンス工事を必須とする「住宅延長保証」をすすめていますが、
10年保証の内容は主要構造部の欠陥と雨漏りの2点です。自然災害に起因する建物の損壊は保証対象外です。自然災害とは地震や暴風雨、積雪などですが、こちらは自己責任となります。※通常火災保険や、地震保険で修理費用を補填できることが多い。
住宅の高寿命や、世代を超えて維持していくには、メンテナンスは必須となりますが、限りなく起こる可能性の引い不具合内容の為に延長保証を付け、住宅メーカーの高利益になるメンテナンスをし続けるよりも、専門の施工店でも十分きちんとしたメンテナンスの保証は付いておりますし、価格に関してもハウスメーカーに比べると断然お得となっております。
このような理由から、最近では多くの方がハウスメーカーから専門業者にメンテナンス依頼を直接しております。
無知の代償が高額なメンテナンス費用となります。高くても大手が良いんだ!という方はもちろん否定しません。
ハウスメーカーに無駄な費用を払うより、その浮いたお金で有意義な使い方をした方が良いと思います。
皆様の地元には優良な施工店は必ずいます。
ハウスメーカーの延長保証を受ける前に、ぜひ今一度内容を検討されることをおすすめします。